隙間業務のDXについて 

 医療介護業界は特にDX化の必要を叫ばれている業界ですが、その導入はなかなかスマートにいくものではありません。記録業務などの支援システムなどの導入が業務の削減に繋がることはわかっていても、これまでの業務のやり方を変更したり、ソフトの使用に慣れていく労力を業務の時間を割いて確保していくことを考えると、なかなか決断することができないのも当然の心理だと言えます。ですが、大きなシステムの導入とはいかないまでも、普段行っている些細な業務、ただし間違いなくそこに労力は発生しているような業務を少しずつデジタルに切り替えていくことで効率化を図っていくこともできます。

 クラウドサービスを開発販売しているインターパーク(札幌)は、利用者がノーコード(プログラミングが不要)で日々の業務を支援する機能を作成できるサービス「サスケワークス」を提供しています。例えば、紙のカルテをカメラで撮影して、記載されている内容をそのままデータ化する、という機能を作成している事例もあるようです。大きなシステムを導入することによって既存の業務をガラっと変えてしまうよりも、隙間の細かい業務などをデジタルに変えていくことで、全体の流れを効率的にしていくような取り組みも有効であると言えます。従来の業務方法を変えるつもりのないような医院や事業所でも、隙間の業務にITを導入し、DXを進めていくことは十分に可能であると言えます。

原田 和将 氏(一般社団法人アジア地域社会研究所 介護福祉研究員)

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