〈原田コラム〉健康管理について 

 自分で運動をして、健康改善を図っていくことで保険料が安くなる保険が広がってきています。南アフリカの金融会社ディスカバリーが開発した保険で、日本では住友生命保険が提携して販売しています。

 保険の加入者には専用のアプリが支給され、日々の運動の記録がポイントとして溜まっていき、健康診断の結果などと合わせて総ポイント数で保険料が査定されていくシステムです。

 人は体調が悪くなってはじめて健康の大切さに気づくと言います。「運動をする」という行為のモチベーションが「健康維持・健康改善」だけだと、元気な内はなかなか「定期的な運動」を習慣にすることはできないものだと思います。誰でも40代くらいから自身の健康に関して意識はしていかなくてはならなくなりますが、働き盛りの時期に仕事以外で体力を削るのに二の足を踏んでしまうことは当然の心理です。ですが、このように健康管理が出費に直結していけるようなシステムはモチベーションの管理ができるため多くの人にとって効果的だと言えます。加入者が健康であり続けることは、保険会社の長期的な収入にもつながるのでまさに双方にとってウィンウィンであるばかりか、医療費の削減に繋がることを考えると「三方よし」の状況です。

 日常的な運動だけでなく、定期的な健康診断、食事、飲酒、喫煙等々の管理、自分の周囲にいる人への働きかけなどが保険料のような出費の削減へ作用していくようなシステムが、今後の社会の大きな流れになっていくかもしれません。

原田 和将 (一般社団法人アジア地域社会研究所 介護福祉研究員)

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