介護助手について

2022年10月17日の審議会で、「介護助手」について「人員配置基準上の取り扱いについて、次期介護報酬改定に向けてしっかりと議論していく準備をする」という内容の発信が厚生労働省の担当者からありました。現在厚生労働省は介護助手という職種の導入を積極的に進めていっています。

介護助手とは、介護福祉士のような介護の専門職の助手や補助として介護現場をサポートしていく役割で、常に人員不足の介護業界にとっては非常に注目されている存在です。資格が不要の職種であるため、人材の確保も有資格者に比べ難しくなく、業務のオペレーションを効率的に構築することが可能になります。

介護助手は利用者の身体に触れるような業務を行うことはできませんが、例えば「食事の配膳や下膳」「清掃や消毒」などを介護職員の代わりに行うだけでも現場の職員の負担はかなり軽減できますし、「脱衣所にある入浴中の利用者の服を新しい服に入れ替える」といった細かいタスクが実は業務の流れを大幅に効率化することになります。

またこの介護助手は、介護職を目指す学生などにとっても現場で学べる貴重なチャンスになります。パートとして介護助手をしながら資格の取得を目指していくことで、座学で学んだ内容をリアルな経験として体験していくことができますし、何よりも高齢者とのコミュニケーションは介護職員としても人間としても貴重な財産となります。

介護助手として経験を積みながら資格を取得し、パートから正社員になる、といった流れが今後の介護業界にとってのスタンダードになっていくことも想像できます。コンビニエンスストアのアルバイトのような敷居の低さを持つことが、介護業界の人員不足の打開策になっていくのかもしれません。

この記事を書いたパートナー

一般社団法人 アジア地域社会研究所 原田 和将

介護現場での管理者としての経験を活かした職員研修、コーチングを中心に活動。コーチングはITベンチャーなど多岐にわたる業態で展開。国立大学での「AIを活用した介護職員の行動分析」の実験管理も行っており、様々な情報を元にした多角的な支援を行う。

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