診療報酬算定のポイント ~厚生局の指導等及び医療監視への対応策~

 個別指導や適時調査においてカルテの記録チェックをされる項目で多いのは、医学管理料の項目です。そこで、今回は算定件数の多い「特定疾患療養管理料」について、算定上の留意点を中心に解説いたします。 

特定疾患療養管理料の算定上の留意点 

B000 特定疾患療養管理料 

1 診療所の場合                   225点 

2 許可病床数が100床未満の病院の場合       147点 

3 許可病床数が100床以上200床未満の病院の場合  87点 

(算定通知) 

1 特定疾患療養管理料は、生活習慣病等の厚生労働大臣が別に定める疾患を主病とする患者について、プライマリケア機能を担う地域のかかりつけ医師が計画的に療養上の管理を行うことを評価したものであり、許可病床数が200床以上の病院においては算定できない。 

9 主病とは、当該患者の全身的な医学管理の中心となっている特定疾患をいうものであり、対診又は依頼により検査のみを行っている保険医療機関にあっては算定できない。 

 上記の算定通知に記載されているように、かかりつけ医が主病に対する治療管理を行うことを評価した項目であるため、検査目的による紹介患者に算定することはできません。また、かかりつけ医だとしても検査等に対するレセプト病名に対しての算定もできません。 

(算定通知) 

5 診察に基づき計画的な診療計画を立てている場合であって、必要やむを得ない場合に、看護に当たっている家族等を通して療養上の管理を行ったときにおいても、特定疾患療養管理料を算定できる。 

 特定疾患療養管理料は、上記に記載の通り、看護に当たっている家族等に対して療養上の管理指導を行った場合にも算定が可能です。したがって、外来診療時以外に急な依頼を受けて行った往診時にも本人もしくは家族等に対して算定要件を満たす指導及びカルテ記載が行われた場合は算定可能です。 

(算定通知) 

11 別に厚生労働大臣が定める疾病名は、「疾病、傷害及び死因の統計分類基本分類表(平成27年総務省告示第35号)」(以下「分類表」という。)に規定する分類に該当する疾病の名称であるが、疾病名について各医療機関での呼称が異なっていても、その医学的内容が分類表上の対象疾病名と同様である場合は算定の対象となる。ただし、混乱を避けるため、できる限り分類表上の名称を用いることが望ましい。 

 呼称が違ってもその医学的内容が疾病、障害及び死因の統計分類基本分類表の対象病名である場合は算定の対象となるため、下記のようなケースは特定疾患療養管理料の対象です。 

①各手術後や後遺症病名の場合 

 ・胃がん術後➩悪性新生物(対象病名) 

 ・脳梗塞後遺症➩脳血管疾患(対象病名) 

②その他 

 ・気管支喘息➩喘息(対象病名) 

 ・アルコール性肝炎➩肝疾患(経過が慢性なものに限る)(対象疾患) 

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