【医療介護あれこれ】在宅医療④「訪問看護指示書について」

こんにちは、長パートナーからコラムが届きましたのでご紹介いたします。

前回、訪問看護との連携について考えましたが、では、訪問看護の指示はどのように出し、算定したらいいのか、基本的なルールから考えてみましょう。

■訪問看護指示のルール
医療保険の訪問看護であれ、介護保険の訪問看護であれ、何らかの形で、「医師の訪問看護指示」が必要になります。その指示書の書式は、「訪問する看護師」がどこに所属しているのかにより、書式が変わってきます。

① 自院の看護師に訪問看護を依頼する場合
診療録(カルテ)の診療記録の中に指示内容を記載すればよいです。
指示に対する料金はいただくことはできません。

② 他医療機関の看護師に依頼する場合
このような場合は相手先の医療機関の医師に対し「診療情報提供書」を記載して依頼します。指示に対する料金は「情報提供料Ⅰ」となります。
これは相手先の医療機関の医師に利用者の情報を提供して、その医師の指示のもとで看護師に訪問してもらうというイメージになります。

③ 訪問看護ステーションに依頼する場合
訪問看護指示書を直接訪問看護ステーション宛てに出すことになります。
料金は「訪問看護指示料」の算定ができます。

■指示書作成日の診療の要否について
診療日に「訪問看護指示書」を作成しなければならないのか?という問い合わせが時々あります。これに関しては、「訪問看護指示書」「特別訪問看護指示書」により取り扱いが異なり「特別訪問看護指示書」については、診療日に作成する必要があります。
しかし、訪問看護指示については診療日でなくても構いません。

特別訪問看護指示については、状態の悪化など重症化した場合に頻回に状態観察や処置等が必要な場合であることを考えると、状態確認してすぐ。という必要性は理解できるのではないかと思います。

■特別訪問看護指示の留意点
前項で、「特別訪問看護指示書」については、診療日に発行するということをお話しましたが、このほか以下の点に留意してください。
① 訪問看護指示書を記載した医師と同一の医師が記載すること
② 原則月1回交付できるもの

この①については利用者が重度化した場合や末期の悪性腫瘍や退院直後であることなどを考えると、同一の医師が記載するということは理解いただけるかと思います。
次の②の「原則月1回交付できる」というところですが、「気管カニューレを使用している状態」である場合と、「真皮を超える褥瘡の状態」にある場合は、1月に2回まで交付できることとされています。しっかりと押さえておきましょう。

■指示書の有効期限について
医療機関で行う場合は状態把握をしながら毎月の判断をしていくことが大事かなと思いますが、訪問看護ステーションについては安定されている方など、6か月以内の日付を指定することができます。有効期限に日付を入れない場合は、毎月指示書を書いてもらうというルールです。

■訪問看護実施後の報告
訪問看護ステーション等の訪問看護を行う事業所は、指示を受けた医療機関の医師に向けて実施した内容の報告を行ないます。
指示をいただいた先生へきちんと報告することにより、生活者の状況が医療側にも伝わると思います。情報を共有することを意識して、忘れずに報告していきましょう。

今回、訪問看護指示とその指示を受けた訪問看護師の情報共有迄、お話をしてきました。とても大事なことですし、医療機関側からすると、訪問看護指示書を出すということに対して、負担感があるかもしれません。在宅での患者さんを支えていくためにはとても大事なこととなりますので、ぜひご理解いただき、チームとして支えていけるようにしていきましょう!

パートナー 長幸美