地域栄養サポート自由が丘

それいゆ編集部です。それいゆ3月号の「経営チェックポイント」にてご紹介した訪問栄養のバックナンバーです。

お薬なしで(便が)出るようになったんですよ!!

「管理栄養士さんが来てくれるようになって何が一番良かったですか?」

訪問看護栄養士の米山さんと一緒に患者さんのご自宅にお邪魔した時、私が患者さんのご家族・悦子さんに、まずした質問です。

その時に、迷いなく答えてくださったのが、この

「お薬なしで出るようになったんですよ!!」

でした。

悦子さんによると、米山さんが来るようになるまで、貞子さんは、お薬を処方してもらうか摘便してもらわないと排便がなかったそうです。そのどちらも、悦子さんには貞子さん苦しそうに見えて、つらく感じられたのだとか。だからこそ、食事だけでお通じが良くなったことは、悦子さんにとってうれしい効果だったとのこと。「介護負担が軽減した」と話してくださいました。

「栄養面を考えると、病院や施設にお願いしたほうがいいのかな、と思うけど、自宅で暮らしたいって母は言っているし…。母のために毎日三度の調理を頑張りたいけど、やっぱり疲れちゃう…。そんな時に、忙しくてもできる介護食の作り方を教えてくれたのもは嬉しかったです。コンビニで買える惣菜を使った介護食とかね。ああ、これでも良いんだ、と救われましたよ。ミキサーを使って簡単にできる調理法も目から鱗でした。」(悦子さん)

超高齢社会、栄養は重要な課題です。フレイルなど高齢者ならではの問題も栄養面を無視しては改善しません。
事例のように、栄養状態が良くなると排便が変わることは容易に想像できますし、「口から食べる」が実践できれば、活力や体力もアップします。
そうなればリハビリの効果もより向上してきます。
管理栄養士の活用は、一人ひ とりの生活の質をより良く、そして、医師や看護師、 リハビリテーションスタッフが行う治療等の効果をより引き上げことが続々と報告されています。ぜひ栄養のエキスパートである管理栄養士をチームの一員にしてください。

栄養士の活用は時代の要請

ただ、「栄養のエキスパートである管理栄養士をチームの一員に?そんなこと出来ないよ!」という声も聞こえてきそうですね。
たしかに無床のクリニックなどで管理栄養士を雇用するのは経営的に難しいでしょう。しかし今後はこちらも見直しされていくと考えます。
たとえば、外来栄養食事指導料は、管理栄養士 を雇用できる恵まれた医療機関だけが算定できるものでしたが、2020年改定では、診療所における外来栄養食事指導料及び在宅患者訪問栄養食事指導料 について、当該保険医療機関以外(他の保険医療機関又は栄養ケア・ステーション) の管理栄養士が栄養指導を行った場合を評価するように改正されました。

栄養管理もシームレスに

もう一つ2020年改正の栄養関連加算をご紹介します。こちらは新設。栄養情報提供加算です。
どのような加算かといえば、

(新)  栄養情報提供加算   50点

入院栄養食事指導料を算定している患者について、退院後の栄養・食事管理について指導するとともに在宅担当医療機関等の医師又は管理栄養士に対して、栄養管理に関する情報を文書により提供を行った場合の 評価として栄養情報提供加算を新設する。

というものです。

病院では栄養管理ができていたのに、在宅に移行した途端、栄養状態が悪くなるということはあってはなりませんが、医療機関が施設が変わるのですから全くおなじというわけにもいかず、ケースによっては起きてしまっていたかもしれません。それを防ぐための加算です。

在宅で引き継ぐ医師や管理栄養士に、入院中に行っていた栄養面でのポイントや退院後に注意してほしいことを情報提供したときに評価されるようです。

しかもこの加算、必ずしも診療所やクリニックだけでなく老健や特養、介護医療院へのバトンタッチでも評価の対象となるようです。

こうした加算が運用されることで地域医療の質がますます向上することに期待します。

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