令和2年7月のご挨拶

小暑を過ぎ、夏本番を迎えました。医療従事者、介護従事者の皆様は、自らの感染リスクを顧みず、治療や看護等に奮闘されていることと存じます。深く感謝申し上げます。

コロナ禍、医業経営へのインパクト

さて、新型コロナウィルスの経営上の影響は大変なものです。日本病院会や全日本病院協会等の報告によれば、コロナを受け入れた医療機関の赤字割合は特に強く、4月は54.6%、受け入れていない病院であっても41.8%ダウンです。急性期病院の動きが止まれば回復期の入退院も滞ります。数珠繋ぎの負の連鎖が起きています。

日本病院会「新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況緊急調査(追加報告)」 より 

コロナ禍は診療所へのインパクトも強烈でした。

診療所の場合、単科が多いことから直撃されると逃げ道がなく、存続さえ危ぶまれるケースが出てきています。ある報告によれば、耳鼻咽喉科や小児科はすこぶる厳しく、4月の売り上げ実績は前年から40%以上減。ステイホームにより学校や保育園が休みになり、風邪をひく子どもが減った、花粉症の影響を受けにくかった等々、第二波、第三波へ備えるため、分析を進めています。

在宅医療や在宅介護の現場からも課題が噴出しました。

在宅や介護は、病院よりもさらに深い角度から患者さんやご家族に接します。「自分自身が無症状感染者なのではないか」という恐れとともにご自宅に上がらなければならない心労は図りようもありません。

管理者の皆様、どうか、スタッフのメンタルチェックに心配りをお願いいたします。職員の身を守る、という観点から、自宅療養患者および介護家族に対する感染予防の教育も重要です。

患者、家族、職員を守るためにも、訪問診療時に必要な検査ができる体制が構築されることを願いますが、「〇〇〇であれば良いのに」ということを論じる時間も惜しい時。必要なICTを導入し地域医療・介護連携状況を見直すなど出来ることをいたしましょう。WITHコロナを乗り切るには、単体では無理です。まさに地域包括ケアの充実度が試されています。

末筆ではございますが、時節柄くれぐれもご自愛ください。

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