2020年診療報酬改定を予測する

いつも大変お世話になっております。M&C「それいゆ」担当瓜生です。先日、当社のパートナー中林梓先生と「それいゆ」の編集会議を行いました。梓先生といえば、言わずとしれた診療報酬研究の第一人者ですが、小誌「それいゆ」にも長年にわたり寄稿いただいています。そこで、来年の改定についてもお話を伺いましたので、シェアいたします✨

2020年改定はこうなるかもしれない。

「根拠はあるけど、占いくらいのつもりで聞いてよ。来年はこんな改定になると思うの。」とおっしゃって、レジメをもとにお話しいただいたのがこちら!

紹介状なしの大病院受診時の定額負担の対象範囲拡大! 200床以上の地域医療支援病院になる。

2018 年度診療報酬改定では、 紹介状なしで大病院を受診した患者等の定額負担を徴収する責務がある医療機関の対象病院が拡大。大病院の外来医療の機能分化を推進する観点からだが、この対象病院がさらに拡大されるのはないかと予測。
「 今回は、200床以上の地域医療支援病院になると考えられるけど、いずれは、地域医療支援病院というくくりも外されそう。」

かかりつけ医機能の充実がますます必要に!

200床以上の病院が要紹介状の医療機関となることにあたり、期待されるのはかかりつけ医。かかりつけ医は、これまでは緩やかなゲートキーパー的機能だったが、病床規模に関する要件の見直しとリンクして評価が高まるかも?

オンライン診療拡大!

便利そうだけど、算定ハードルがやや高い「オンライン診療料」。しかしここは拡大してくると予測。

「対象疾患が限定的すぎるから、その範囲を広げたり、要件を緩和したりするのでは?」

先生のご存じの医療機関に、実際に取り組んでいるところがあるそうですが、そこでは、90日処方を30日処方(一月目 オンライン、2月目オンラン、3月目対面)にするなどし、とても満足度が上がっているそうです。

中林梓先生

患者さん側からすると、3か月に一度しか見れなかった先生のお顔が、オンラインとはいえ、1月に一度見えるから、頼もしいよね。 しかもスマホで楽に!!

M&C

患者さんはいいと思いますけど、ドクターの負担もあるのでは?

中林梓先生

あると思うけれど、それに二の足を踏んでいたら、これからは選ばれない・・・かも。ネット予約できるお店とできないお店なら、君はどっちを選ぶ?


M&C

…。すみません。ネット予約できるお店ですかね。

中林梓先生

これから後期高齢者となるのは団塊の世代!スマホくらい使えますよ!診療報酬改定でも触ってくると思うけど、それがなくても選ばれるためには準備は必要!

復活する?妊婦加算

どのような形になるかはわからないけれど、凍結が解かれ復活する。たとえば、自己負担を発生しない仕組みとなるか…産婦人科に情報共有すること必要となるか…。以前よりきめ細やかな形で点数化される。

ここもポイント

  • やっぱり改革の核となるのは地域包括ケアシステム。ここに軸足をおき、自院がどこに位置しているのか認知し、分析することが必要!
  • プライドや従来の考え方では生き残れない時代が「本当に」きている。
  • 注目していただきたいのは、高齢化、認知症、廃用症候群、単独世帯、老老世帯といった人たち。
  • 患者の生活を想像する力、聞きこむ力が必要!
  • 診療報酬上の常勤、専従の考え方は変わる 。

来年の改定で下がらない(と思う)ものベスト3

  • 連携関係 
  • 認知症関係 
  • 口から食べること 摂食機能と口腔ケア

このほかにも、7対1 看護の考え方をはじめとする新たな入院医療の評価体系について、2040年を見据えた2020年の動きなど大胆予測もしていただきました。「私見です!」「占いレベルです!」なんておっしゃりようをなさいますが、資料を緻密に緻密に読み込み、いろいろな方との話を収集し、ロジカルに分析されてのご見解ですから、納得感があります。
ここではこの程度にとどめますが、詳しい内容が知りたい方は、中林梓先生の各種セミナーにお越しください。

\中林梓先生のセミナー情報、下記サイトなどを検索してみてください/

https://www.hms-seminar.com/seminar/

全体を俯瞰して先読みをしておられますので、先生のセミナーを聴けば、 診療報酬改定が、医療制度を次世代にまでつなげていこうとする壮大な仕掛けづくりなのだということも感じ取れると思います。

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