介護労働実態調査より

先月、介護労働安定センターより「介護労働実態調査」の結果が公表されました。

2019年10月から昨年9月までの1年間の離職率は14.9%と過去最低を記録。処遇改善加算等の影響が出ていることも考えられます。

離職率の経年推移(2職種計)

離職率については、減っているのかもしれませんが、それでも現場の人材の不足感は変わっていないように感じます。介護労働実態調査の結果では、少しずつ改善傾向という結果が出ていますが、実情と温度差を感じる内容です。

不足感の推移(職種別)

また、賃金についても平均で月24万3135円となり、+8000円程度という結果が報告されました。賃金が改善された影響なのか、労働者の労働条件・仕事の負担に関する悩み等において、前年より改善されているものの「人手が足りない」が最も高く、次いで「仕事内容のわりに賃金が低い」で、労働者の悩みは賃金よりも人手不足が大きく上回っています。また、「健康面(感染症、怪我)の不安がある」は、新型コロナウイルス感染症の影響から、前年よりも倍近くの増加となっています。

確かに以前と比べて、賃金は改善されたように思います。それでも、「まだまだ」と思うところもあります。それ以上に、人手不足で業務が大変という印象が強くあることも事実です。募集をしてもなかなか次が決まらないので、離職とならないように、こまめに面談などを実施して、介護職員のケアに努めているケースも多いです。そういうところで離職が減っていることも考えられますし、離職させないことが最大の人材確保なのかもしれません。

一般労働者の所定内賃金、賞与(無期雇用職員、月給の者)の推移
労働条件等の悩み、不安、不満等(複数回答)

【出典:令和2年度「介護労働実態調査」結果より】