事例紹介 YouTuber
こんにちわ!M&Cパートナーコンサルティング広報 瓜生千鶴です。
最近は動画制作のご相談もちらほら。リハビリの様子だったり、院内の雰囲気だったりを「動画にして発信したい」という方が多いようです。
たしかに、文字より動画の方が伝わりますよね。今後はその傾向がますます高まるものと思います。
動画といえば、YouTube!本日は最近デビューした方で、私が今一番気になっている(気に入っている)YouTuberさんをご紹介します。
YouTuber 理学療法士 松本健史さん
松本さんは生活期リハビリを専門とする理学療法士です。
介護現場にも詳しく、高齢者の心身についても詳しい方…。
その松本さんが発信しているのが「がんばらないリハビリ介護」シリーズ!
中でもお気に入りをピックアップします。まずはご覧ください。
がんばらないリハビリ介護 第10歩 介護の立ち入り禁止ゾーン
ご覧いただけましたか。
「なるほどな」と唸らせるだけにあらず、ですよね。介護とは何か。本質的な問いもわりと厳しく投げかけています。
例えば、「介助者が歩行訓練を邪魔しておいて、“この利用者さん、足が出ませんね”。それで車椅子になるってそりゃないだろ!」とご指摘。厳しいです。
松本さんはいつもそうですが、例えも秀逸です。
ここでの動画では、「人は揺れながら歩行している」という事実を伝えているのですが、その例えとして、お相撲さんの土俵入りを引っ張り出されています。この手法は見事の一言です。
松本さんの誘導で大相撲の土俵入りを見てみると、確かに人の体は揺れています。右にユッサ、左にユッサ。なるほど、なるほど。納得。
「( こんなに揺れているんだから )介助者ももう一度、支え方を見直そう!」松本さんの心からの願いも見えます。
がんばらないリハビリ介護 第6歩 お年寄りはなぜものを人にあげたがるのか
私が一番好きな回です。
この回で松本さんが伝えるのは人間の本能です。
松本さんは、「ものを交換する、つまり経済活動は人間の本能。けれど、日本の介護は、要介護になった途端、経済活動から切り離される。本能を封印されて、人が元気になるわけないですよね」と伝えます。
たしかに、たしかに。
実は、M&C広報は、「それいゆ」の取材を通じ、いくつものデイを取材していますが、お金を使えるデイには活気がありました!
例えば、群馬のMWS日高さん。
取材させていただいたのは、ちょうど今くらいの暑い時期でした。お風呂上がりに、デイの売店でアイスを購入されて召し上がっている高齢者さんがいらしたので、「こちらのデイでは自由にお金が使えるんですね(お財布も持って来れるんですね)」と社長の北嶋さんにお伺いしたところ、「もちろんですよ」とのこと。トレーニング中はロッカーで個別に管理されるそうですが、お後は自由。お金を使うのも脳トレの一つとお考えです。「風呂上りにアイスって最高でしょう」と北嶋社長おっしゃる通り、高齢者さんたちの笑顔の素晴らしいこと。しみじみいいなあと思いました。今年掲載したアルペン会さんもそうでしたね。こちらは夢のみずうみ村形式を取り入れて、施設内通貨「ユーメ」を活用なさっていました。
着想を世界中にシェア。みんなで良くなりたい!
ちなみに、私はなぜ「第6歩」の回が一番好きなのか。
それは、松本さんの着想が爆発していると感じられるからです。
松本さんがこの「本能」に気がついたのは、「サピエンス全史」を読んだのがきっかけとか。
「サピエンス全史」は言わずと知れた世界的ベストセラーですので、私も読みましたが、リハビリに結びつける着想はありませんでした。
お相撲をみながら、読書をしながら、歩行の原理に、人の元気の源に思いを馳せる松本さんは、起きている間は(もしかして夢の中でも?)リハビリのことをお考えなんだろうと思います。
松本さんに関わってもらえる利用者さんは幸せだなあと思うと同時に、その着想を世界に広げ、みんなで良くなっていきたいね、というメッセージを送られている松本さんが素敵なので、この6話が一番好きです。あとでうかがったのですが、松本さんもこの回に一番伝えたいメッセージを込めているそうです。
(ちなみに、“みんなの力で良くなっていきたいね”というのは、M&Cの創業理念、“一人ひとりの才能をそれぞれ活かし、チームになって未来の日本を幸せに!良くしよう!”にも通じてます)。
実はすごい人。松本さんプロフィール
1972年大阪府生まれ。合同会社松本リハビリ研究所所長。理学療法士。佛教大学大学院社会福祉学修士課程修了。専門は生活期リハビリテーション。1997年関西大学法学部政治学科卒業。2000年九州リハビリテーション大学校卒業後、熊本機能病院勤務。2004年NPO法人丹後福祉応援団勤務。2014年合同会社松本リハビリ研究所設立。全国の老人ホーム、デイサービス、介護施設でリハビリ介護のアドバイザー、生活リハビリセミナー講師、雑誌・書籍の執筆など、介護福祉に関わる多方面で活躍中。研修を受けると高齢者が元気になる!介護職が生活リハビリの達人になれる!と話題。「介護は工夫の宝箱!」が持論。主な著書に『生活リハビリ術』(ブリコラージュ)、『認知症介護「その関わり方、間違いです!」』(関西看護出版)、『認知症利用者・中重度利用者生活機能訓練』(日総研)など多数。