【医療介護あれこれ】接遇レッスン「接遇と医療の安心・安全」

こんにちは、長パートナーからコラムが届きましたのでご紹介いたします。

今回のテーマ「接遇と医療の安心・安全」・・・違和感を覚えておられる方もあるのではないでしょうか?
私は病院勤務時代に、様々な場面で、「ヒヤリ・ハット」の事例を見てきました。また、患者さま対応やチーム間の調整等で悩む場面も多数ありました。こうしたときに必ず出てくるのが、「言った・言わない問題」です。つまり、コミュニケーションは医療の世界でもとても大切になってくると思うのです。こうしたことから、コミュニケーション力を高めるということは、医療機関のとても大きな課題だと思います。

■コミュニケーションとは・・・
ウィキペディアによると「社会生活を営む人間の間で行われる知覚・感情・思考の伝達。 動物個体間での、身振りや音声・匂い等による情報の伝達。 原語がcommunicationなのでカタカナで表記する場合は「コミュニケーション」である。」とされています。
もっと端的に言うと、コミュニケーションとは、言葉などを通じて、相手に考え等を伝えること、と説明ができます。

■コミュニケーションエラー
これは、誤った情報の伝達や伝達そのものがうまくいかない場合など、コミュニケーションにかかわるミスのことを指し大きく二つに分類されます。
一つは発信側に問題がある場合、もう一つは受け手側に問題がある場合です。一つずつ見ていきましょう。
① 発信側の問題
いわゆる「言ったつもり・・・」なのだけれど、十分に情報の説明などがなされず、結果伝わらない、というものです。
受け手側からすると「〇〇、お願いね」と言われたけれど、何をお願いされたのかわからないなどです。

これは「伝わっているはず」という思い込みによる発信が原因ともいえるかもしれません。人に伝えるときに「こういったのだからわかるでしょ!」はNGです。

② 受け手側の問題
指示は出しているのだけれど、受け手側がうまく聴き取れなかったり、曖昧なままに判断したりして、間違えた指示を実行してしまう場合です。
例えば、「力価がちがっていた」「単位が違っていた」「薬品そのものを間違えて投与した」「違う患者のカルテを出した」というミスがあります。

過去の怖い事例ですと、指示を出した先生は「インスリン1単位追加」と指示を出したつもり。しかし看護師は1mlと勘違いし、患者さまに投与してしまった。
というようなことがありました。全国のアクシデント報告等を見ていると、似た名前の薬剤を取り違えた事例などがありますので注意が必要です。

■意識的に声に出してみよう!
ここで注意してほしいことは、「○○つもり」や「相手は理解しているはずだ」という思い込みで仕事をしてはいけないということです。
先ほどの事例でも、「発信者」「受け手」ともに、双方がきちんと確認すれば間違いは起こらなかったのではないかと思います。このために必要なことが、接遇でよく言われる「復唱」です。
また、医療安全分野では、「指さし」、声に出して点検項目等を読み上げて確認することも大事だといわれています。それは、人が目で見るだけでは見過ごすことも、指をさして改めて見ることや、声に出して読むことで、耳から聞いて確認することができるからです。
五感を上手に活用していきたいですね。

皆さん如何でしょうか?
今回お話をしたのは、コミュニケーションエラーの一つの考えです。もちろんこれだけでは解決しないこともあると思います。けれど、「発信者(伝え手)」と「受け手」が少し意識することで、スムーズにいくことも、きっとあると思います。

最後に、皆さんに一つ実践していただきたいことがあります。
それは、意識的に「相手の名前を呼ぶ」ということです。
例えば、「○○さん、おはようございます」「○○さん、この書類お願いします」「○○さん、お疲れ様」「○○さん、ありがとう」~~etc
これだけでも、受け手は嬉しいものです。私に何か言葉をかけてくれていると思えば、意識も高まる・・・と思います。試してみてください。

パートナー 長幸美