【医療介護あれこれ】接遇レッスン「モチベーションについて」

こんにちは、長パートナーからコラムが届きましたのでご紹介いたします。

最近、「職員のモチベーションが低くて…」という相談を受けることがあります。
また別の先生からは、「指示をしないと動いてくれない…」という相談を受けることも。
モチベーションをアップさせ、やる気を出させるのはなかなか難しいですよね。私も病院時代に一緒に働いている人に意欲的になってもらえるか、悩んだことが多々あります。

【モチベーションとは】
「やる気」「意欲」「動機」などの意味で用いられる表現です。 主に「行動を起こす契機となる刺激や意欲」といったニュアンスで用いられることが多い言葉です。

モチベーションは、目標達成を目指す原動力や個々の主体性を発揮するための原動力となります。このため、職場では、このモチベーションを向上することや維持するための取り組みが必要ともいわれています。

【モチベーションはなぜ低下するのか?】
仕事のモチベーションが低下する理由は、「仕事に魅力を感じていない」「正しく評価されていないと感じている」、等があるのではないかと思います。
さて、どういうことでしょうか?
「仕事に魅力を感じていない状態」では、やらされている感が強く、仕事に対するやりがいが見いだせない状態になっている状態があるかもしれません。

正しく評価されていないと感じているのはなぜでしょうか?
ヒトは「承認欲求」が強い生き物といわれています。つまり、自分がやったことに対し、認めてほしい、褒められたい、という思いがあるのです。したがって、「ありがとう」「助かったよ」「あなたに頼んでよかったわ」という言葉かけがない職場では、なかなかモチベーションが保てなくなるものなのです。

【目標設定】
皆さんの医療機関で、「目標設定」をされているでしょうか?
検査が何件や患者数が増減・・・というよりも、医療に貢献できる目標が設定されていると、目標に対し頑張ろうと思えるものがあるのではないかと思います。
また、この目標設定には、「理事長・院長の思い」・・・つまりクリニックの理念がとても大事になってきます。どんな医療機関にしたいのか、どんな医療サービスを提供したいのか、こういったことがとても大事になると思うのです。

【トップダウンとボトムアップ】
この場合、トップダウンは、「方針」や「理念」だと思いますし、ボトムアップは方針や理念を実現するためにどんな行動を起こすか、ということになります。そこで、先生方に質問です。

「職員へ診療方針や理念を先生の言葉で伝えていらっしゃいますか?」

この方針や理念などは、しつこいほどに伝えないと、浸透していかないものです。
また、理念を実現するためにどのような行動を起こしたらよいかを職員間で話し合い「行動指針」に落とし込んでいくことによって、より理解が深まってくるものと思われます。1年に1回再確認し、繰り返しブラッシュアップしていくことで、理念がより職員の中に浸透していくのです。

【評価も大事】
皆さんの医療機関でも、ボーナスの時期や昇給の時期に合わせて、人事評価をされていると思います。その評価について、職員と「なぜこの評価なのか、なにがよくて、何を頑張ってほしいと思っているのか」、話をされているでしょうか?
医療機関によっては、形骸化していることもあり、せっかくのチャンスを見逃している場合があるのではないかと思います。

【職員は対話を求めている】
職員にとって、理事長や院長は「別格」「雲の上の存在」という感覚があるのではないかと感じています。先生方の言葉で発信していくことが重要だと思う所以です。
まずは、挨拶から始めてみませんか?名前を呼び一言添えるだけでも、違ってくると思います。
気軽に声をかけるというところからはじめ、少しずつ、話せる環境を作ることにより、先生のことを理解し、「こうしてみよう」「役に立ちたい」という思いが出てくると思います。

また、面談等を行い、職員の不満を聴いたときに、または「こうしてみてはどうか」という意見があった時に、答えたり答えなかったりすると、言われてもしなくてもいいかな・・・という理解に変わっていきます。こういう理由でできないということを伝えていくことも大事です。
先生方の指示に「できません」という職員も少なくはないと思います。このような場合に、なぜそのような指示をしているのかを説明するとともに、「今なぜできないのか、どうすればできるようになるのか」、ということを対話することも大事です。
このような場面で、しっかりと向き合い対話していくと、職員にとっては、大事にされているという思いが芽生えてきます。こういった思いがとても大事だと思うのです。

【継続は力なり】
人と人、感情があるからこそうまくいかないこともありますが、苦労してうまくいったときの喜びは格別です。つまり成功体験ですね。
とても難しいことだと思いますが、日々の積み重ねだと思っています。ぜひ一つでもよいので、今日のこのコラムを読んで感じることがあれば、試してみてください。一つの行動を継続していくことはなかなか根気がいることですが、「継続は力なり」・・・一緒に頑張りましょう!

パートナー 長幸美