【医療介護あれこれ】在宅医療「認知症②~認知症の診断~」

こんにちは、長パートナーからコラムが届きましたのでご紹介いたします。

さて、認知症について第二弾は「認知症の診断」についてみていきたいと思います。
その前に認知症の症状について、主なものを見ておきましょう。

■認知症の主症状
① もの忘れ(記憶障害)
数分前の出来事を忘れる、同じことを何度も言う・聞く、しまい忘れや置忘れ、約束を忘れる、昔から知っている人や物の名前が出てこない、同じものを何度も買ってくる、などがあります。
② 時間・場所がわからなくなる
日付や時間がわからない、慣れた道で迷うことがある、など。
③ 理解力・判断力が低下する
手続きや貯金の出し入れができなくなる、テレビ番組の内容が理解できなくなる、運転などのミスが多くなる
④ 仕事や家事・趣味、身の回りのことができなくなる
仕事や家事の段取りが悪くなる、調理の味付けを間違える、掃除や洗濯ができない、身だしなみを構わなくなる、食べこぼしが増える、失禁が増える、など
この中で、気になるのは、加齢によるもの忘れと、認知症によるもの忘れだと思います。現実にはなかなか区別することが難しいようですが、「日常生活に支障をきたしているか」「忘れっぽくなっていることを認識できているか」「経験自体をすっかり忘れているか、一部分がわからない状態か」ということがポイントになるようです。

■認知症疾患医療センターと認知症初期集中支援チーム
認知機能の低下(MCIを含む)のある人や認知症の人の早期発見・早期対応のためには、地域の関係機関との連携がとても重要となります。
一般内科などでは、この心配な「認知症の初期症状」なのか、加齢によるものなのか、ということが、なかなか判別がつかないこともあるようで、ずいぶん進行してから診断を受ける方もあるようです。
早期診断を支援するところが、各都道府県に置かれている「認知症疾患医療センター」ということになります。疑わしい症状があった場合に、紹介状を書き予約を取って受診を進めることで、診療情報提供書に「注10認知症専門医療機関紹介加算 100点」を加算することができます。

さらに、すでに診断を受けた患者で、症状の増悪、療養計画の再検討等の理由により、診療情報提供書を添えて専門医療機関の受診をした場合は、「注11認知症専門医療機関連携加算 50点」の算定が可能です。
先生方が一人で抱え込まなくてもよい仕組みが診療報酬上でも支援されていることを知っておきましょう。

また、認知症初期集中支援チームについては、認知症が疑われる方であって、介護サービスの利用を本人が希望しない等の理由により適切な医療・介護サービス等につながっていない場合、各市町村に複数の専門職がチームを作り、家庭を訪問して、観察・評価を行ったうえで家族支援等の初期の支援を包括的・集中的に行うチームです。
気になる方があれば、相談してみるのもよいかもしれません。

<参考資料>
〇厚労省「知ることからはじめよう~みんなのメンタルヘルス~」より
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_recog.html