【医療介護あれこれ】共同指導料と介護支援等連携指導料 (QAより)

いつもお世話になっております。M&C後方支援チームです。長パートナーよりコラムが届きました。

先日、「在宅医療機関との連携をすすめていきたい」という病院様からお問い合わせをいただきました。

当院の入院患者に対し「共同指導料Ⅱ」を算定して在宅医療を提供する診療所と連携していきたいと思っていますが、なかなかうまく行きません。介護支援等連携指導料は算定しているのですが、どういったタイミングで共同指導をしたらいいでしょうか?共同指導料Ⅱと介護支援等連携指導料は併算定できますか?

今回は、共同指導料と介護支援等連携指導料について、考えてみましょう!

【共同指導料とは】
入院中の患者が在宅へ退院することを踏まえて、入院医療機関と退院後の在宅療養を支援する医療機関が共同して、退院後の療養生活について必要な説明や指導を行うことに対し、診療報酬が支払われるものです。

入院中の医療機関は「共同指導料Ⅱ(400点)」を、退院後の在宅支援する医療機関は共同指導料Ⅰ(在支診は1500点、それ以外は900点)を算定することができます。
在宅を支援する医療機関の方が、点数の配分が高いのは、病院に赴く手間や労力があるためです。従って、往診料等は算定できません。
また、退院後に介護サービスを必要とする場合や、薬剤管理、歯科診療を行う場合など、複数の方々が支援にかかわっていく場合もあると思います。この場合は、入院医療機関のほかに3者以上の担当者にも来ていただいて共同指導を行う場合があり、「多機関共同指導加算(2000点)」の算定が可能となります。

【介護支援等連携指導料】
入院患者が退院した後必要とする介護サービスを、適切に受けることができるよう、入院中に患者の心身の状況等の総合的な評価を踏まえて、介護支援専門員(ケアマネジャー)や相談支援専門員と連携して退院後のケアプランやサービス等利用計画、障害児支援利用計画の作成につなげることを評価するものです。
したがって、入院側は、主治医や主治医の指示を受けた医療スタッフ(看護師、社会福祉士等)で、在宅支援を行うケアマネジャーや相談支援員と一緒に実施することになります。

【共同指導料Ⅱと介護支援連携指導料の併算定について】
このため、ご質問の中にある、併算定は、入院医療機関―在宅支援医療機関と入院医療機関―ケアマネジャーの場合は併算定できます。
ただし、共同指導料Ⅱの中にある「多機関共同指導加算(2000点)」を算定する場合は、その中にケアマネジャー・相談支援専門員も含まれているため、同一日での併算定はできません

診療所の先生はおひとりで診療をされていることが多く、なかなか日中の時間帯で病院まで足を運んでほしいということは言いにくいものだと思います。このため、Webカンファレンスや先生の指示を受けた看護師の共同指導でも算定ができることになっています。

【共同指導の場をどう作るか・・・】
また、退院が決まったから、さあ皆さん集まって、と声をかけても、なかなか集まってもらえないのが現状でしょう。
それでも頑張っておられる医療機関は沢山あります。

Case1:
入院時に在宅での主治医、及びケアマネジャーに日常のサービス提供の情報などをもらい、入院診療計画作成時に、ケアマネジャーを含めた入院時カンファレンスを行い、入院報告とともに主治医に情報提供する。
入院期間や治療内容、在宅での必要とされると予測されるサービス等早期にアプローチを開始したりすることで、どういった方に声をかけるのか、いつ頃になるのか、ということも共有でき、スムーズな開催や算定にも貢献できると思います。

Case2:
地域連携室や医事課のスタッフが、ケアカンファレンスに参加する。
医療機関によっては、訪問診療や訪問看護に研修の意味で同行する場合や、退院後に自宅まで様子をうかがいに訪問することもあるようです。
患者さんやケアの状況にかかわることにより、事務スタッフが医療現場に興味を持ち、病院内でどのようなことを行われ、それが報酬に結び付くかどうか、現場を知ることも、とても大事になると思います。

【最後に】
ご存知だと思いますが、地域包括ケア入院医学管理料においては、両指導とも医学管理料であるため、算定は出来ません。
しかしながら、地域包括ケアシステムを運用する観点からみると、この「共同指導」「介護支援連携指導」はとても重要な役割を担っていると思います。
継続するポイントは、現場を知り、その流れの中で、ひと工夫をしていくことではないでしょうか。これを機会に、院内の入院~退院までの流れを見直してみられては如何でしょうか?

<参考資料>
〇「診療点数早見表」の以下の項目をご確認ください。
B004  共同指導料Ⅰ
B005  共同指導料Ⅱ
B005-1-2 介護支援等連携指導料

パートナー 長幸美