診療報酬算定のポイント ~厚生局の指導等及び医療監視への対応策~
前回は、査定の対応策として原因の検証についてお伝えしましたが、今回は、具体的な査定事例をお伝え致します。
2.具体的な査定事例
投薬、注射、検査は、どの保険医療機関においても査定が多い項目です。薬剤の場合、添付文書通りの傷病名や用法・用量でなければ査定の可能性が極めて高くなります。また、学会等で常識とされている用法・用量であっても、添付文書になければ保険診療としては認められません。さらに、盲点になりがちな組み合わせによる禁忌についても注意が必要です。
(1)投薬
○内服薬の長期投与対象外疾患および薬剤で14日を超えて投与
○同一患者に対して、同一日に院内と院外の投薬を算定
○同一患者に対して、同一月内に院内と院外の投薬を算定した場合の調剤技術基本料
○特定疾患処方管理加算を対象疾患以外で算定
○胃粘膜保護剤の重複投与またはH2ブロッカーを粘膜保護剤として投与
○PPI製剤に対して投与開始日の記載がない
○バイアスピリンやワーファリン、ロキソニン投与に対して、消化性潰瘍の傷病名あり
○キネダックを糖尿病で投与
○リーバクト投与に対して、血清アルブミン値の記述もれ
(2)注射
○点滴手技料の回数が実日数を超えて算定
○ガスター注において、消化管出血を伴わない疾患に対して投与
○アルツディスポを変形性膝関節症、肩関節周囲炎以外で投与
○強力ネオミノファーゲンCを慢性肝炎による肝障害、皮膚疾患以外で投与
○アミノレバンにおいて、肝性脳症を伴う慢性肝不全以外で投与
○セファメジン等と他の抗生物質との併用または過剰投与
○ハイカリック等の高カロリー輸液と肝性昏睡のおそれのある場合や重篤な腎障害に投与
(3)検査
検査の査定は施行回数の過剰、一次と二次検査の同時施行、目的が同じ検査の同時施行、画一的なセット検査の実施などが主な理由です。
○定性と定量、一般検査と精密検査を同一検体で算定しているもの
○CRPの定性と定量を同時算定
○炎症性疾患の傷病名が無いのにCRPを算定
○TIBC、UIBCおよびFeを同一検体で算定
○フェリチンを鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血等の対象疾患が無く算定
○FT3、FT4、TSHの検査を入院時同一月に2回行い過剰と判断
○糖尿病の確定病名が無くHbA1cを算定
○ABO血液型、Rh血液型を2回以上算定
○BNPは、半年以内に複数回の検査で過剰と査定
今回は、査定の事例として列挙しましたが、都道府県の審査機関により解釈が異なる場合もございますのでご注意ください。