褥瘡処置でデブリ―ドマンは算定可能か?

こんにちは、長パートナーからコラムが届きましたのでご紹介いたします。

今日は皆様からお寄せいただいた「処置の算定」について考えてみましょう。
質問の内容は、
「褥瘡処置でデブリ―ドマンは算定が可能でしょうか?」
外来の処置で、臀部の褥瘡(広範囲ポケット形成、上皮壊死あり)により、外来にて処置を行っています。処置の内容は、「温水洗浄、ポケット内部掻把、壊死部分カット、軟膏塗布」を行い保護しています。この場合の算定はどうしたらいいのでしょうか?

おそらく、「ポケット内部の掻把」をしているからデブリードマンで算定したい、ということでしょう。

■褥瘡とは・・・?
いわゆる床ずれです。寝たきりなどによって、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなり、皮膚の一部が赤くなったり、ただれたり、傷ができてしまうことです。
仙骨部や踵、膝、肩甲骨や肩、肘など、比較的骨が触れやすい場所(脂肪や筋肉が薄いところ)にできやすいものです。

■褥瘡の処置はどのようなことを行うのでしょう?
①赤くなっている場合
清潔を保ち、薄くなった皮膚を保護し、自分の力で皮膚の再生を促すため、ドレッシング剤(テガダーム、オプサイト、等)を使用します。その場合は透明な薄手のものを使用して、テープの上から観察できるようにします。
②水泡ができている場合
破れないようにすることが大事です。もし破れてしまった場合は、細菌などの二次感染を防ぐために抗菌作用のある外用薬や被覆材などを使用する場合もあります。
③潰瘍ができてしまった場合
今回の問い合わせはこの状態だと推測されます。
慢性化してしまった褥瘡は、感染防止のためにきれいに洗浄し、壊死組織を溶かして取り除き、新しい皮膚を再生させるような抗潰瘍外用薬(ゲーベンクリーム、ユーパスタ軟膏、リフラップ軟膏、等)を使用します。長引く場合は、もっと根本的な外科的手術「が必要になる場合があります。

■デブリードマンとは・・・?
一方、今回の質問にあるデブリードマンとはどのような処置(手技)になるのでしょうか?
デブリードマンとは、感染・壊死組織を除去し、創を正常化することで、他の組織への影響を防ぐ、外科的処置のこと、とされています。外科的処置なので、ハサミや電気メスを用いて、壊死組織を切ったり、創部の洗浄をしたりするものになります。
ハイドロコロイド剤など、ドレッシング剤が持つ自己融解作用を利用する場合もありますが、これは内科的(保存的)処置とも言えます。

また、植皮術を前提に行う場合は、加算ではなく「K002_デブリ―ドマン」で算定をすることにも注意しましょう!

■保険請求上の考え方
保険請求上の考え方では、外科的処置については、「K000_創傷処理」+「注3のデブリ―ドマン加算」で算定することになりますが、ここで注意してほしいのは、デブリードマン加算の算定要件です。

(出典:厚労省「令和4年度診療報酬改定_医科算定留意事項通知(0428訂正後)」)

この(5)に「デブリ―ドマンの加算は、汚染された挫創に対して行われるブラシングまたは汚染組織の切除等であって、通常麻酔下で行われる程度のものを行った場合に限り算定する」とあります。「挫創」であること、かなりの痛みを伴うものであることがわかります。

<参考までに・・・挫創とは>
挫創とは、外部からの機械的・物理的・科学的力が加わることにより生じた組織・臓器の損傷を言うものとされています。挫滅・・・つまり強い力で皮膚が圧迫されたことによってできた創ということになります。

■今回の質問について
今回のポイントは、「褥瘡」と「挫創」の違いを理解することと、処置の内容だと思います。ゲーベンクリームを処方しており、使用しつつ、来院時に洗浄と壊死部分のカットをしているため、創傷処理+デブリ―ドマン加算を算定したいところですが、病名に挫創がありません。なおかつ局麻剤の使用もありません。このための査定であると考えられます。

褥瘡は前述したように「体の向きを変えないことにより、圧力がかかり続ける」ことにより生じるものです。今回の内容としては、重度褥瘡処置で算定されるのが良いのではないかと思います。皆さんには、ぜひ処置の内容を見学させてもらい、どんな処置をされているのか、その内容を知ることにより、算定が違ってくると思いますよ!

<参考資料>
〇厚労省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件 告示 別表第一」  228p~
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000907834.pdf

〇厚労省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)」  516p~
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000935689.pdf

パートナー 長幸美